感覚とセンスの違いについて
スーパーで働いていたとき、新人を評して当時の店長が言った。
「あいつ、センスないんだよな。感覚はいいんだけど」
は?何を言っているのだこの人は。
感覚もセンスも同じではないの?
「感覚とセンスってどう違うんですか?」
「それが分からんようでは、まだまだやなぁ」
ニヤッと笑って上司はタバコの煙を吐いた。弊社は禁煙です。
さて感覚とセンスの違いについて。
上司はこう言った。
「感覚は育てられるが、センスは育てられない」
感覚は育てられるもの。
それは「積み重ねでわかるようになるもの」とも言える。
業務を繰り返し、何度も行うことで積み重ねられるのは「コツ•勘」である。
なるほど、これは人によって差があるとはいえ、育つものである。
何度も同じことをやっていたら「こうやった方がよくない?」とか分かってくる。
じゃあセンスは?というと、これは「アイデア」に近いと思う。
この陳列どうする?という話になった時
感覚だと、割とパターン化してしまうというか
「すごく綺麗で丁寧で速いんだけど、いつもの売場」となる。
センスがある=新しいアイデアが出せると、ちょっと目を引く売場になる。
「こんな方法があったのか!」というのは、自分の中にないアイデアを見た時で
そういう時に「この人センスあるなぁ」と思うのだ。
ただ、やはり感覚の部分なしにセンスだけで仕事すると
作業効率が悪かったり、他の人への引継に齟齬が生じやすいので
センスだけでは駄目である。
そう考えると
感覚=基礎のコツや勘が身についた状態
センス=新しいアイデアや発想力+基礎を応用して業務に活かせること
と言える。
発想力だけだと「あいつアイデアはいいんだけどなぁ」ということになってしまう。
冒頭の「感覚はいいけど、センスがない」は
「基礎のコツは掴んでるんだけど、ワンパターンだなあ」ということになり
新人に対してはなかなかにハードルの高いことを言う人だとわかる。
この人については数々の逸話があるので後日。