ビビりあげろんの記録と実験

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オススメのマイナーな宮沢賢治作品を5つ挙げてみた!

宮沢賢治作品が好きです。 

ちなみにご本人様については、エピソードを聞く限り嫌いという訳ではないのですが、それほど好きなタイプではないです。

まるで自分を見るようで(笑)

さて、宮沢賢治作品といえば「注文の多い料理店」「銀河鉄道の夜」など

どちらかと言えばメルヘンというか不思議系というか、動物かわいいみたいな

そんなイメージがあると思います。

しかし詩なども含めると200以上の作品があり、もちろんかわいい動物たちが

きゃっきゃしてる作品だけではないのです。

そんなマイナーな作品を5つ紹介します。

基準は「私が初見でコレすごい!と思ったこと」です。超主観。

 

 

 

気のいい火山弾

宮沢賢治 気のいい火山弾

読後感・後味の悪さは天下一品。最初に読んだ時どれほどへこんだことか。

短いお話なので、5分もあれば読めると思います。

集団によるいじめ問題のなんとかかんとか、と言ったお話のように読めますが

その論点で話すとかなりつまらないかなと。

ベゴは「雨ニモマケズ」で賢治さんがなりたかった「サウイフモノ」のように思います。

「サウイフモノ」を含む集団を俯瞰してみるとどの様に見えるのか?

そういった視点で見る一つの集団のあり方を描いているように思います。

もう一点、賢治さんがなりたいと言った「サウイフモノ」になったとして、それは本当に「みんなの幸せ」に繋がるのか疑問です。

ベゴ本人は幸せだったのでしょう。でもベゴがいなくなった野原には何が残るんでしょうね?

あーこの話長くなる。別の日に。

 

楢ノ木大学士の野宿

宮沢賢治 楢ノ木大学士の野宿

七五調に近いリズム感で紡がれたテンポの良い作品。

登場人物のセリフは七五調ではないので、大正時代のキネマや講談を見ているような気持になります。

科学的な知識と夢の世界が入り混じっていて好き。

これ岩手の地質や地形を知ってたら倍プッシュで面白いんじゃなかろうか。

それくらい岩石や鉱物に関する専門用語が出てきます。

国語が好きだけと地学嫌いって子供にこれ読ませたら勉強するんじゃね?

あと、主人公たる大学士がなかなかのクズで笑えます。

 

 土神ときつね

宮沢賢治 土神ときつね

男2・女1のドロドロの三角関係。

これを元に脚本を書いて火サスくらいには広げられそうです。犯人バレてるやん。

一番好きなのは土神の恋心の描写!エロいんです。

そんな風に表現されると実感がありすぎて困るといった感じで。

未だに疑問に思っていることが2点。

気持ちはなんとなく分からんでもないけど、理由を言葉で説明できないこと。

最後に土神が怒ったのはなぜなのか。

最期に狐が笑ったのはなぜなのか。

 

カイロ団長

宮沢賢治 カイロ団長

めっちゃ好きです。ブラック企業に従業員が立ち向かうお話。

賢治さんは貧しい人の味方をしたかったのだと思うのですが

富める人が悪いというわけではないのですよね。やり方の問題で。

ご自身の実家は大金持ちですしね!

嫌いな誰かを叩けばすっきりするのかもしれないけどそれ本当にすっきりするの?

ほんとに?ほんとに??ほんとうに???

・・・まぁ、するんでしょうね。叩く題材が今は多すぎる。

というか叩ける何かをみんなで必死こいて探し回っているように見える。

自分の正しさを振りかざす行為は正しいんでしょうか。

そしてこれはブーメランでもあります。痛い痛い。

それはともかくガマガエルのマルチプレイヤーっぷりに驚く。スキル多すぎ羨ましい。

追記 ガマじゃなくて、とのさまがえるでした。ごめんなさい。

 

ひかりの素足

宮沢賢治 ひかりの素足

ガチな仏教物語。日蓮宗の信者獲得販促絵本でも作ってたんですか先輩?

 ってくらいガチ仏教的なお話。それだけ・・・

と思いきや!割と最近の自己啓発系の人が言ってることに近いです。

自分の世界を作っているのは自分の心、ということ。

自己啓発系のキラキラしてるような人が言うようなことって、大体が既に昔の人が到達してたりしますからね。

分かりやすく言い直すのも大切ですが、過去の文献に当たるのも好きです。

意外とお経なんかで言及されていたりしてね。

大まかなストーリー展開は、よく読むとシューベルト「魔王」

浄土パート以外の展開は「魔王」が元なんじゃなかろうか。

注意点なのは、岩手弁が何言ってるのか所々分からないこと。雰囲気でがんばる。

 

 

有名な作品ばかり取り上げられるので、実はマイナーな作品が多いのかな?

好きで色々読んでいるので、何が有名かマイナーか分からないのだけれど

この辺はマイナーだと思います。

短めのお話も多いので、ぜひ読んでみてください。