失われた読書体験を探して
本好きの友人に、読んだ本の記録をつけている子がいました。
作者、作品名はもちろん どこで読んだか、内容、感想、その他諸々
小学生の頃から続けていると。
「おお、記録つけるのいいな!真似しよう」と思って準備すらしなかったのですが
最近ちょっと後悔ぎみです。
タイトルが思い出せないからです。
ふと
「ああ〜中学の時、図書室で糸井重里の詩集読んだな。あれ結構よかったな。なんだっけあれ…」
という状況に陥りました。
最近多いんですよ、思い出せないのが。
内容は分かるんだけど、タイトルが思い出せない。
学校の先生から勧められた本のタイトルとか
図書室、図書館で読み漁った本とか
どんどん思い出せなくなっていく。
(こういう人が本屋さんで店員さんを困らせるんだな…)
逆に持ってる本にはそんな渇望は沸かないので無いものねだりなのでしょう。
しかし失われたのは実物としての本ではなく、読書体験です。
自分で思い出すしかない。
そうやって思い出してはメモを取った本のタイトルが増えていきます。
記録をとる、ものを集めるということは「アクセス権を有することだ」と
森博嗣が何かのエッセイで言ってたけど、あの本なんだったっけ…
引用しようと思ったら思い出せない。