慰霊碑の移設に季節を思う
ちょうどナフコがある辺りだ。
広島方面の電車がトンネルを抜けてすぐの山側にある。
地元民でないと「何の話?」ってな導入である。
あまり詳しくはないが、被爆された方がなんとか家まで帰ろうとして亡くなったのだと聞く。
トンネルに入る前には、必ず警笛が鳴らされる。慰霊の目的である。
4月は桜に
5月は藤に
6月は青い紫陽花に囲まれる。
地元の方がいつも綺麗にして下さっており、千羽鶴が色褪せているのも見たことがない。
どうしてこんなことを書いているかというと、移設が決まったからだ。
近くの公園に移動するのだという。
今の位置は昨年土砂崩れが起きたまさにその場所である。
また線路脇なので行き帰りが危ないからだという。
昨年はこの慰霊碑も土砂崩れに巻き込まれた。地元の方が掘り出して下さったものである。
仕方ないことではあるが
山と人の両方から花を手向けられているような、あの春先から初夏の光景は見られなくなる。
警笛も聞けなくなる。
それが少し寂しい、と思っている。