「蘭学事始」読了
"蘭学事始"(杉田玄白 著) http://a.co/0POKyTl
解体新書を出版するか止めとくか選択、みたいな番組。
回想録が資料として引用されていたのですが「あれ、この人なかなか面白い人では?」と思い読んでみました。
医学の人ですし、真面目一辺倒なイメージがあったのですがそうでもなかったです。
「蘭学事始」解体新書も含めた、玄白先生の蘭学に関する回想録です。
現代語訳されており、難しい言葉ばかりではないので(専門用語はさすがに難しい)
エッセイの感覚で読むことができます。
最初に蘭学を志したきっかけとかが書いてあるのですが、玄白先生1回蘭学を諦めてるんです。
めんどくさいから。
玄白先生、結構せっかちでめんどくさがりな傾向にあったようです。しょっちゅう自分でせっかちだって言ってます。
ではなぜターヘルアナトミアを訳したかというと
絶対に役に立つと思ったから。信念があったんですね。
結びで「この本が役に立って、100年経って医学が発達してると思うと嬉しくなる!」とテンション高く書いてます。
ただ、総合して見るに「役立つ」だけでなく「好奇心」で動いてる印象を受けます。
「え、何これすごーい!面白ーい!」と「これ絶対みんな助かるよー!」という
二重の高めのテンションが絡まり合って濃縮されています。
おじいちゃんかわいい。
色んなメンバーがいたのですが、それぞれ目的が違っていたようです。
訳本を作りたいとか、オランダ語を学んで別で活かしたいとか。
目的が違う人が集まって、ある1つの目標に向かっていく…
ワンピースですか?と思いました。
途中でイカれた(←褒めてる)仲間を紹介する章があります。ロックバンドの如し。
まぁ外国のものには規制がかかる時代ですし、ロックな人々であったとは思います。
大江戸ロックンローラー玄白先生のキャラと志を楽しめる一冊でした。