大きな岩の話(オチなし)
西日本豪雨の時の話。
うちよりも上の、集落内では被害が大きかった所にて。
十字路の真ん中に大きな岩が落ちていた。
ど真ん中ではなかったから車?というか重機は通れてたような覚えはある。
高さは私の目線くらいはあったから、130センチはあったと思う。
とにかく大きな岩が山から転がってきてた。
仕事には行けないし(なんたって市がまるごと陸の孤島と化していた)
家にいたってすることないから
何日か土砂の掻き出しに行ってたある日
岩にしめ縄が巻かれていた。
町内の祭りの時に使う簡易的なものだ。
麻のロープを巻いて、紙でできた幣束みたいなやつ(紙垂というらしい)をいくつか挟んだもの。
写真どころではないので、画像は残っていない。
岩は数日後には取り除かれた。
証拠もなにもないので、嘘だと言われたら反論することはできない。
まぁ「毎日が地獄です」ってTシャツ着ていったら大ウケしたので、ノリの良い人がいる町内であることは確かだ。
しめ縄巻くくらいはやりかねない。
奇跡的に集落内で死傷者いなかったし(家は被害を受けたけど)
あの岩を思い出すたびに頭を離れない発想がある。
あれは信仰のはじまりではなかったのだろうかと。
あの積み重ねが町の名前になっていくのではなかろうかと。