「俺の周りには美人がいっぱいいるんだ」
「目元が優しそうだよね」
親と親族以外から外見を褒められたことなど無かった私が
初めて人様から褒められた言葉である。
大学生の時に所属していたサークルの先輩。
自分の考えをしっかり持っている人だったが
飲み会の席でいきなり何を言い出すのか。
酔っているのか。いやいつも酔っているような人だ。
きっと真面目に酔っているのだ。酒が足りないのだろう。
↑慣れてないとこうなる
彼は続ける。
「褒められたらみんな嬉しいよな?
てことは、褒められた女の子は嬉しいでしょ?
俺はその子のかわいい所に気づいたんだから
俺の周りに美人がそれだけ増えるってことになるよね?
俺が女の子を褒めたら、女の子も俺もみんな幸せになるんだよ!」
大体そんな意味のことを言っていた。
なぜ急にそんなことを言い出したかは覚えていないが、
あまりにあまりにポジティブな発言を
淡々と語られたのでよく覚えている。
周りの人を褒めると、きっといいことがある。
気のせいかもしれなくとも、自分の周りにいい人が増える。
必ずしも褒めないといけない訳ではないけれど
たまにはいいんじゃない?